今回のビジネス書はコチラ!
ファーストコールカンパニーシリーズ ブランディングの本質 100年先につなぐ価値 [ 平井 克幸 ]
タナベ経営のノウハウも満載!
ブランディングと100年先につなぐ価値はどうビジネスと関連づくのか?
本書のタイトルを読んで、まず疑問を持ちました
「ブランディング」と「100年」つながりそうで、つながらない
この難問をどう解き明かしていくのでしょうか
6章構成、全222ページです
著者は次の方に読んでいただきたいと記しています
今までブランディングについて真剣に考えたことがなかった、まだ取り組んでいないという方にこそ、ぜひ読んでいただきたいと思います (はじめにより)
本書はブランディングについての基本を語りながら、100年価値を培うための
普遍的で実践的な仕上げになっていると感じました
第1章 企業経営に不可欠なブランディング
ブランドが今、注目される背景には日本経済が抱える構造的な3つの問題あるとしています
1.人口減少
2.デフレ経済の長期化
3.コモディティ化の進展
を挙げています
ブランドの3つの役割を定義しています
1.差別化の目印
2.イメージの蓄積
3.顧客との約束
ブランドが企業経営にもたらすインパクトは大きく
1.収益性の改善
2.戦略的な優位性
3.企業価値の向上
というメリットが手に入る
以上をふまえて、「ブランディングが苦手な日本企業」として
欧米企業との価値観の違いを用いて、説明されています
第2章 ナンバーワンブランドを目指す
この章では、企業のブランディングを成功に導く
「1・3・7メソッド」が説明されています
【1】ナンバーワンブランドへの目標設定(差別化の目印)
【3】ブランドイメージを高める3つの視点(イメージの価値)
【7】ブランディングを展開する7つの機能(顧客との約束)
タナベ経営のブランディング研究の成果から導かれたこのフレームワークを
規模の大小を問わず適用でき、第4章にかけて解説されます
第3章 ブランドイメージをデザインする
ブランドイメージを高める3つの視点
「専門性」「人間性」「社会性」
が図表も用いてあり、わかりやすいです
第3章では3つの事例によって、具体的に説明しています
第4章 ブランディングを成功に導くために
ブランディングの7つの機能
1.ブランド・コンセプト
2.ブランド・ターゲット
3.ブランド・ベネフィット
4.ブランド・キュレーション
5.ブランド・マネジメント
6.インナーブランディング
7,アウターブランディング
それぞれの機能を事例を交えて説明されていて
とてもイメージしやすいです
第5章 企業特性に応じたブランディング
1.老舗企業のリブランディング
2.BtoB企業のブランディング
3.地域貢献とブランディング
第6章 ブランディングは全社員活動である
「ナンバーワン企業は1日にして成らず」を前提に
チームブランディングによる全社展開を行うための
推進体制が図式とともに説明されています
旧態依然とした組織体質を打ち破る必要性とともに
「強いブランドの源泉はトップの思いとリーダーシップ」
それはリスクテイクを伴う思い切った改革には、トップの強靭な意志が必要としている
熱い思いもとても大切ということですね
タナベ経営ならではのビジネス事例付きの解説はわかりやすく、イメージしやすいです
ブランディングを学術的ではなく、事例を用いた実践を多用しています
ブランディングを担当することになったら、事例をみて参考にしやすいと思います
タナベ経営は日本の経営コンサル業界の先駆者といえます
「ブランディング」と聞くと、大手ブランド品をイメージしてしまいますが
中小企業に関わるコンサルトしての蓄積が、キーワードや図解、Caseでまとめられていて
非常に理解しやすく、具体的かつ実践的な書籍です